コラム
災害時に見落とされがちな「トイレ問題」と当社の取り組み
災害対策
2026/04/27
災害時に停止するインフラとして、電気・ガス・水道が広く認識されていますが、もう一つ重要な要素として「排泄(トイレ)」があります。 本コラムでは、災害時におけるトイレ問題の実態とその重要性を整理するとともに、当社における具体的な取り組みについてご紹介します。
1.インフラ停止による生活への影響
災害発生時には、電気・ガス・水道といったライフラインが停止し、日常生活に大きな影響を及ぼします。特に水道の停止は、飲料水の確保だけでなく、トイレの使用制限という形で生活環境に直接的な影響をもたらします。 多くのトイレは水洗式であるため、断水が発生すると使用が困難となり、排泄という日常行為が制限される状況が生じます。
2.排泄インフラの重要性
排泄は生活に不可欠な行為であり、短時間であっても制限されることによる影響は小さくありません。トイレ環境の悪化は心理的負担に加え、健康面にも影響を及ぼします。 例えば、排泄を控えることによる脱水や体調不良、衛生環境の悪化による感染症リスクの増加などが挙げられます。こうした問題は、避難生活の長期化に伴い深刻化する傾向があります。
3.災害時におけるトイレ問題の実態
災害時の避難所や被災地域では、トイレに関する課題が多く報告されています。仮設トイレは設置までに時間を要する場合があり、初動段階では不足するケースが見られます。また、利用者数に対して設備が不足することで長時間の待機が発生し、利用を控える行動につながることもあります。 さらに、清掃や管理が十分に行えない場合には、悪臭や衛生環境の悪化が進み、生活環境全体の質の低下を招く要因となります。
4.事前の備えの必要性
災害発生直後は、外部からの支援や設備の整備がすぐには行き届かないことが想定されます。そのため、初動段階において必要な設備を自ら確保しておくことが重要です。 トイレについても同様に、仮設設備の到着を待つのではなく、あらかじめ備蓄・準備を行っておくことが、生活環境の維持および衛生管理の観点から重要とされています。
5.当社の取り組み
当社では、こうした課題認識を踏まえ、災害時における排泄環境の確保に向けた取り組みを進めています。その一環として、備蓄型トイレ「ほぼ紙トイレ」を導入するとともに、実際の運用を想定した組み立て講習に参加し、設置手順や使用方法の確認を行いました。
ほぼ紙トイレの組立
数十年間備蓄可能で、女性だけでも短時間で組立、設置できることから、災害発生直後からその場で利用開始できる点に特徴があります。
紙とプラスチック素材を主体とした組立式の個室型トイレであり、水・電気・下水といったインフラが停止した状況でも使用可能です。
また、個室構造によるプライバシー確保や、衛生面への配慮がなされている点に加え、使用後の処理においても、複数の処理方法を検討できる特徴を持っており、災害復旧の際に初動を担う私たちの事業特性とも整合する設備であると考えています。
6.まとめ
災害時におけるトイレは、電気・ガス・水と同様に生命を支える重要なインフラの一つです。 当社では、環境と防災の両面を意識した取り組みの一環として、排泄インフラへの備えを進め、地域と連携を図って行けるような実効性のある対策を継続し、安全で衛生的な環境の確保に努めてまいります。

